8:【戦争と政治宣伝】《文明を冒涜したマニラ軍事法廷》
防衛庁戦史資料室所蔵「軍事極秘」資料によると、コレヒドール要塞・バタアン半島攻略戦の時のオ・ドンネル収容所司令官は、朝鮮民族であったが創氏改名をしなかった洪思翊中将である。強制時に創氏改名させられたなどとよく言われるが、いかに出鱈目であるかこれで理解できるであろう。
捕虜収容所最高司令官洪中将は、マッカーサーによって発案された法理「指揮官責任論」に基づいてマニラ軍事法廷において死刑を宣告され、処刑されている。マニラ軍事法廷の軍法委員(裁判官)の任命は「連合国総司令官または、その委嘱を受けた当局より任命される」ことになっており、軍法委員の資格は「任務に適し、かつ個人的利害関係または、個人的偏見なき者を委員に任命する」との条件であった。
しかし、洪思翊中将の場合と同様に、本間雅晴中将に銃殺刑を宣告したマニラ軍事裁判所の五人の裁判官全員は、マッカーサーの部下としてバタアン半島で降伏し、本間中将の捕虜となっていた軍人達であった。
これは、明らかに軍法委員の資格条件に違反している。まさしく東京裁判の判事も戦勝国で構成されたことと一致する。
マニラ軍事法廷も東京裁判も「文明」の名を振りかざしたリンチである。
マニラ軍事法廷の判決に対して、本間中将の弁護団は合衆国最高裁判所に再審を提訴したが、米最高裁は訴願を審理することを拒否した。しかしながら、フランク・マーフィー最高裁判事は次のように述べていることを重視したい。
「犯罪のより明瞭な証拠も、日本部隊の残虐行為も、裁判の進行の不当な迅速さ或いは明瞭に反憲法的規定を含む指令の発布の口実にはならない。今日、戦場で敗北した敵軍の指導者である山下と本間の生命が、法の正当な手続きを無視して奪われる。それに抗議するものはない。しかし、ここにうち立てられた先例は明日他の者にふり向けられるのである。法の正当な手続きを無視した法律的リンチが、今後引き続いてぞくぞくと発生するかも知れない」(『山下裁判』下)
東京裁判開廷前に良識派の米最高裁判事は、このような警告を発していたのである。
本間雅晴中将は、昭和二十年十二月十二日にマニラに移送され、二ヵ月後の昭和二十一年二月十一日「紀元節」の日に銃殺刑を宣告された。そして、同年四月三日「神武天皇祭」に処刑されている。米最高裁判事も警告したように、移送から死刑宣告まで、わずか二ヶ月で実行された。
国内では、本間中将がマニラに移送された昭和二十年十二月十二日に合わせ、新聞各紙に連載した『太平洋戦争史』で「レイテ・サマールの戦闘」、その翌日は「完敗に終わった比島戦〈マニラ、狂乱の殺戮〉〈日本軍の損害十二万〉」とたて続けに山下大将、本間中将の死刑を予告したような記事を掲載して公正さを強調している。
先に紹介した昭和二十年九月十六日に新聞各紙に掲載された『比島日本兵の暴状』と、昭和二十一年一月十三日放送「バタアン死の行進」などを合わせて、両将軍の死刑は、ラジオ放送と新聞で宣告されていたと解釈できる。
日本人は、正義を偽装した裁判が実行されたとは、夢にも考えないおおらかな優しい民族である。それは長い歴史の中で国民が為政者の裁きに対しては、絶大な信頼を寄せてきた証明でもある。
ところが米国による情報戦によって「悪」を事前に刷り込まれると、それを否定する行動を起こすことのない民族、という計算に基づく洗脳政策であった。
今まで、多くの日本人が、東京裁判を肯定的にしかとらえられない根本原因は、計算ずくで仕組まれた政治宣伝の結果による悲劇なのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
●戦後、極東国際軍事裁判は、東京裁判を象徴的に問題にしているが、その根本的問題点は、すべてマッカーサーの権限で開廷していたマニラ軍事法廷にあったのです。
それを原点として、現在を俯瞰すると、現状の政治の混迷も偏向教育の根元的問題も明らかになります。
これらは、日常生活に直結した問題ではありません。現在、覚醒しているインターネットユーザーの皆様方が、真剣に日本の行く末を心配している姿は、小生が座禅を通して会得した「自未得度先度他」を実践されていると思っております。
それは、自己満足を追求する姿を動物にたとえると、その対極に存在するのが「發菩提心」(自未得度先度他)です。それは、覚醒したもの(菩薩)は、自己満足することなく、まず先に迷っているものを迷いのない所(彼岸)に渡してあげる心得です。
その意味で、丸坊主日記に集っていらっしゃる、愛知県SE様、山河様、秋桜様、六本木の住民様、りょうこ様、お稲荷様、千葉県民様、ジンタ様、小枝様、土日の主婦様などの方々は、「發菩提心」を実践なさっておられるのです。 あらためて敬意を表する次第です。
※ 添付した写真は、以前、いっしょに暮らしていた「黒丸君」です。妹ねこが、ベランダを開けて入れないとき、いつも開けてあげていた利口な「ねこ君」でした。
【転載不可】水間政憲
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